就労ビザをホテル業界の職種で取得するには?
日本は皆さんもご存じのように国を挙げて外国人観光客を
増やすことに力を入れています。
その甲斐あって訪日外国人観光客も年々増加しており2017年
の訪日外国人観光客は2869万人と、過去最高だったようです。
私が住んでいる北海道札幌市も同様に近年、外国人観光客が
多く、街を歩いていても外国人観光客をよく見かけます。
2017年上期ではありますが札幌市に訪れた外国人観光客は
1032万人で前年比17%増加しています。
また、外国人宿泊客も111万人で前年比24%増加しており、
5年連続で過去最多を更新しているようです。
ホテルや旅館も外国人宿泊客が増えるとやはり外国人客に
対応できる外国人従業員を雇用したと思うのではないでし
ょうか?
今回はホテルや旅館業で外国人従業員を雇用する場合に
ついてお伝えしたいと思います。
1、ホテルや旅館が外国人を雇用する場合のビザ(在留資格)は?
ホテルや旅館が外国人を雇用する場合の多くが外国人客の
対応を担当するため、就労しているのではないでしょうか?
例えば外国人客や海外から来る予約やお問い合わせ等
通訳・翻訳業務を行うのであれば「技術・人文知識・国際業務」
の国際業務カテゴリーで在留資格を申請することになります。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を申請する場合
申請者である外国人は観光業に関連する学習を大学又は短期大学
や専門学校で学び、卒業ている必要があります。
外国人が行う業務はベットメイキングのような単純労働に該当する
業務では在留資格を取得できません。
2、在留資格取得にはホテルや旅館の規模は関係あるのか?
ホテルの規模が大きく、誰しもが知るいわゆる一流ホテルと小中規模の
ホテルとではやはり、在留資格取得の際、どうしても違いが出てきます。
規模が大きなホテルはそれだけ多くに外国人宿泊客の利用も多く
外国人客の通訳業務、新規市場の開拓や新規市場開拓に伴う営業などに
従事することで在留資格を取得することが出来ます。
小中規模のホテルがビザ(在留資格)を申請する際は全体の宿泊客数に
対する外国人宿泊数の割合、外国人の従業員が必要な理由をしっかりと
入国管理局へ説明する必要があります。
3、ホテル、旅館等の業務の許容性
「ホテル・旅館等におけて外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」
というものが2015年12月に法務省入国管理局で策定されました。
ホテルや旅館ではどうしても単純的な作業に一時的に人手が必要になる場合
があります。
例えば宿泊客の荷物を部屋まで運ぶ(ポーター業務)業務です。
ポーター業務は単純作業ですので本来は「技術・人文知識・国際業務」には
該当しない業務です。
しかし「ホテル・旅館等におけて外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」
には、一時的であれば直ぐには問題にはならないと言っています。
ただし、あくまでの一時的ですのでこの業務が主業務で行っている場合は在留期間更
新不許可等の処置がとられるようです。
また、就職して直ぐにホテルや旅館により違いがあるとは思いますが研修が行われる
ことがあると思います。
その研修の一環で「技術・人文知識・国際業務」の該当しない業務に従事することは
採用当初の時期に留まるといった場合は許容されるようです。
ただし、どちらも一時的でイレギュラーな場合ですので、継続して行うことは勿論
NGです。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で働いている外国人社員の単純労働などの
資格外の活動を行わせていると資格外活動違反、不法就労助長罪などで外国人社員や
外国人を雇用している会社も罪に問われることになりますのでその点は十分に注意
して頂きたい思います。